日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年7月24日部下に伝わる話をするには?

 

★部下に伝わる話し方が求められる時代


日本話し方センターのベーシックコースは、会社などのマネジャー層の方が多く参加されています。そうしたマネジャー層の人に話を聞くと、「部下にどのように話したら伝わるのか、気を使って話すことが多い」と仰います。確かに、昭和や平成の初期には「上司は偉いから上司の言うことは絶対に聞かねばならない」という共通認識がありました。従って上司は「何やってんだ!バカヤロウ!」と部下を怒鳴って叱りつけることもできました。しかし、現代ではそのような認識はなくなり、上司の部下に対する話し方も変化しています。

では、今、上司が部下に話をする際に大切なことは何でしょうか?
私は、部下の個性の違いを認め、その個性に応じた話し方をすることだと思っています。

 

 



★善し悪しで判断してしまう


人には色々な個性があります。
・細かいことが気になる人と気にならない人
・社交的な人と人に話しかけるのが苦手な人
・言葉数が多い人と少ない人
・直感で判断する人と論理で判断する人 などなど。
これらの個性は、どれがよくてどれが悪い、ということはありません。しかし、私たちは日常、この個性の違いを善し悪しで話してしまうことがよくあります。
「そんな細かいことまで気にするから仕事が遅いのよ」
「誰にでもいい顔をしていると舐められるぞ」
「もっと自分から積極的に話をしないと人には認めてもらえないよ」
「感覚でものごとを決めるのは良くないよ」
こういう言い方をされると、部下は自分を否定されているように感じてしまい、萎縮したら上司を避けるようになったりします。これらは何れも『細かいことまで気にするのはよくない』『言葉数が少ないのは損だ』など、善し悪しを基準にした発言になっています。

 

★部下の個性を尊重する


こうした話をする前に、部下の個性を肯定的に認めた上で、それを言葉にすれば、相手の受け止め方も違ったものになるでしょう。

「細かいことまで気にするから仕事が遅い」は、
「いつも細かい所まで気を配ってくれてありがとう。でも、仕事の時間は限られているから、重要なものに絞ることを身につければ更に良くなると思うけど、どうかな」

「誰にでもいい顔をするな」は、
「誰にでも気さくに話しかけられるなんてすごいね。でも、君のその性格を利用する人もいるかも知れないから注意してね」

「自分から積極的に話しかけろ」は、
「じっくり言葉を選んで話すタイプだよね。でも、大事なところではタイミングよく話さないといけないから話すことを準備しておいた方がいいよ」

「感覚でものごとを決めるな」は、
「直感を大事にしたいと思っているんだよね。でも、なぜそう決めたのかを説明できると他の人も納得しやすいよ」


★相手に受け入れられる話し方をする


話は相手に共感してもらうことで、聞いてもらいやすくなるし、伝わるやすくなります。そのためには、上の例のように、まず相手のことを認めているよ、理解しているよ、というメッセージをきちんと届けることが重要です。そして、その前提として人の個性を尊重するという姿勢が必要です。人には、個性や特徴があり、得意・不得意があります。話をする場合は、その個性や特徴・能力が、組織や環境、状況に合っているかどうか、という視点を持つべきです。そうすれば、指導やアドバイスなど耳に痛い話をする時でも、部下に受け入れられる話し方ができるでしょう。

 

★ベーシックコースで学びませんか?


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